2017明治安田生命J1リーグ 第17節
2017年07月02日(日)

柏レイソル 2-3 鹿島アントラーズ

♪得点♪
53分金崎 夢生
56分永木 亮太
72分ペドロ ジュニオール

☆スタメン☆
GK1クォン スンテ
DF22西 大伍                    
DF20三竿 健斗                    
DF3昌子 源                    
DF16山本 脩斗                    
MF4レオ シルバ
MF6永木 亮太                    
MF13中村 充孝
MF11レアンドロ                    
FW7ペドロ ジュニオール
FW33金崎 夢生

★サブ★
GK21曽ケ端 準
DF24伊東 幸敏
MF40小笠原 満男                    
MF25遠藤 康
MF8土居 聖真                    
FW14金森 健志
FW9鈴木 優磨

□交代□
49分クォン スンテ → 曽ケ端 準
74分中村 充孝 → 土居 聖真
84分レアンドロ → 伊東 幸敏


マッチレビュー
明治安田J1 第17節

金崎、永木、ペドロが決めた!鹿島がアウェイで首位・柏を撃破、リーグ戦4連勝!

7月のアウェイ4連戦、第1章。首位を走る柏レイソルとの大一番で、鹿島が強さを見せ付けた。J1第17節で日立柏サッカー場に乗り込むと、0-1とビハインドで前半を終えたものの、金崎と永木の連続ゴールで逆転に成功。62分に同点に追い付かれたが、72分にペドロ ジュニオールが鮮やかなドリブルシュートを決めて3-2と勝ち越し、チーム一丸で守り切って勝利を収めた。これでリーグ戦4連勝となった。

鹿島は6月後半、9日間でのホーム3連戦を3連勝で飾り、大岩監督就任後4戦全勝と会心の結果で6月を終えた。次に待ち受けるのは、11日間絵のアウェイ4連戦だ。ACL出場による日程のスライド、そして天皇杯で新たに導入された試合会場決定ルールの適用によって組まれた、過酷なスケジュール。指揮官は「“この連戦を重要視している”ということは選手たちにも伝えた」と明かす。今後の優勝争いを左右する、極めて重要な連戦だ。

前節の新潟戦は6月25日。ペドロとレアンドロのゴールで完封勝利を収め、聖地は歓喜に包まれた。勝利の喜びとともにつかの間の充電期間を得た選手たちは、27日からトレーニングを再開。厳しい戦いを走り抜くためのフィジカルメニュー、そして戦術理解度の向上を図る実戦形式の練習を実施した。濃密なトレーニングの日々が、選手たちの競争意識をさらに高めていく。そして大岩監督は、柏戦2日前のトレーニングを非公開に変更。「この試合が重要であることは誰が見ても明らかだし、選手たちをより集中させたいと思って非公開練習を行った」。指揮官は大一番への揺るぎない決意を言葉に託した。

厳しい暑さに見舞われた、7月2日。早々とチケット完売が発表された日立台に、アントラーズレッドの背番号12が足を運ぶ。「スタジアムに行けば自然と士気も上がるだろうし、集中力も増す」。大岩監督は選手たちの心境を推し量り、自身の経験を踏まえて展望していた。それはサポーターも同じだ。大一番を前にした高揚感、そして時間を追うごとに高まっていくボルテージがビジタースタンドの待機列に満ちあふれていた。

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18時前、依然として厳しい暑さの日立台に、鹿のエンブレムを纏う誇りを体現する戦士たちが姿を現す。ホームチームに人数では及ばなくても、それを凌駕する情熱と熱量がビジタースタンドから降り注がれた。大岩監督は1週間前から3名の先発メンバー変更を断行。ボランチに永木とレオ シルバを並べ、前線の一角には金崎を指名した。GKはクォン スンテ、最終ラインは西、ボランチからスライドした三竿健斗、昌子、山本が並ぶ。2列目には好調を維持する中村とレアンドロ、前線はリーグ戦2試合連続得点中のペドロが金崎とコンビを組む。そしてベンチには、GKの曽ケ端、伊東、土居、遠藤、小笠原、鈴木、金森が並んだ。
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18時33分、大一番の火蓋が切って落とされた。立ち上がりから、ボールポゼッション率を高めたのはホームの柏。両サイドの深い位置までボールを入れ、起点を作って攻勢をかけてきた。それでも鹿島は、昌子が「相手にボールを持たれる展開になると思う」と語っていた通り、しっかりと身体を張って応戦していった。自身2度目のセンターバック起用となった健斗も激しいボディコンタクトを繰り返し、時には機を見たビルドアップで攻撃の起点となる縦パスを通すなど、可能性を示してみせた。
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最初のチャンスは16分。レアンドロがパスを受けると、相手を背負いながら力強く反転して縦へ突破し、ペナルティーエリア手前からペドロへラストパスを通す。背番号7のドリブルは相手に阻まれたものの、右CKを獲得。永木が繰り出したセットプレーから昌子のヘディングシュートが柏ゴールを脅かしたが、惜しくも枠を越えてしまった。22分にはレオとレアンドロがテクニックを見せ付けて相手の守備網をかいくぐり、左サイドを突破、最終ラインの背後へスルーパスが飛び、虎視眈々とゴールを狙う2トップが爆発的に駆けたものの、惜しくもオフサイドの判定に。シュートまで至らなかったが、指揮官の求めるアグレッシブな姿勢を体現してみせた。
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上位対決にふさわしい、濃密な攻防。緊迫した展開が続いたが、この夜最初のスコアはホームチームのものだった。24分、ペナルティーエリア内での混戦からパスを通されてボールを収められると、最後は大谷に右足シュートを決められてしまった。
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柏サポーターが歓喜を爆発させる中、鹿島は守勢に回ることなく少しずつボールポゼッション率を高めていった。30分頃からはセカンドボールを中盤で拾う回数も増え始め、金崎やペドロがサイドへ流れて献身的にポストプレーを敢行。決定機を生み出すには至らなかったが、反撃の予感を漂わせながら前半を終えた。0-1、大岩監督就任後は初めて負うこととなったビハインドだが、チームに動揺はなかった。
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1点を追う後半、思いがけないアクシデントが鹿島を襲う。47分、相手のシュートに対応したスンテがこぼれ球の攻防で相手のタックルを受け、負傷。プレー続行不可能となり、曽ケ端が急遽ピッチへ送り出された。交代枠を1つ使うこととなったのは痛手だが、百戦錬磨の背番号21がもたらす安心感は揺るぎない。昌子は「何も心配していなかった」と、信頼を語っている。
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50分過ぎから、鹿島は左サイド深くまで進出してクロスやドリブルから突破口を見出そうと腐心した。金崎や山本、中村が積極的なチャレンジを見せ、柏の守備陣に脅威を与えていく。そして53分、待望の同点ゴールはエースの一撃によってもたらされた。左サイド深くへ抜け出した金崎がペナルティーエリア左角の位置から思い切りよく右足を振り抜く。強烈かつ変化しながらゴールへ飛んだミドルシュートは、クロスバーをかすめてネットを揺らした。1-1。6試合ぶりに先発復帰を果たした背番号33のファインゴールで、鹿島がスコアをタイに戻した。
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そして3分後、鮮烈な同点弾の余韻が覚めやらぬ56分、次のスコアが刻まれる。敵陣左サイドで得たFKを永木が蹴り込むと、鮮やかな軌道を描いたボールが相手GKの頭上を越えてゴールへ吸い込まれた。永木にとって、鹿島加入後のリーグ戦初得点。背番号6の逆転ゴールで、スコアは2-1となった。
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4分間で2つのスコアを刻み、鹿島がリードを奪った。だが、首位を走る柏の粘りに屈し、鹿島は6分後に2失点目を喫してしまった。ペナルティーエリア左奥まで突破されると、曽ケ端が飛び出したものの突破を阻むことはできず、ラストパスからクリスティアーノに押し込まれた。これでスコアは2-2。大一番らしく、両者が一歩も譲らない白熱の一戦となった。

次第に中盤のスペースが空き始める中、ボディコンタクトが激しさを増していく。ゴール前での攻防が連発される展開は、観る者を魅了するものだったことだろう。69分には柏に右サイドを突破され、クリスティアーノにドリブルでペナルティーエリアへ入られてピンチを迎えたが、ラストパスが通らずに事なきを得た。すると3分後、アントラーズレッドのビジタースタンドが3度目の歓喜を迎えた。

72分、山本のスローインをペナルティーエリア左外で受けたペドロが、駆け引きの妙を見せて対面の相手DFを抜き去る。ゴールライン際からの力強いカットインでエリアに入ると、迷うことなく右足を一閃。強烈な一撃がファーサイドのポストに当たってゴールへ吸い込まれた。沸騰するビジタースタンド。疾走する背番号7。3-2。ペドロの3試合連続得点で、鹿島が勝ち越しに成功した。

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6分と表示されたアディショナルタイムを含めて、残り20分強は険しい道のりだった。それでも鹿島は、大岩監督に送り出された土居や伊東がしっかりと役割を果たし、昌子や健斗が身体を張ってゴールを守り続ける。先発復帰のレオも中盤で圧倒的な存在感を誇示し、相手のチャンスを刈り取り続けた。
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3-2。勝利を告げるホイッスルが鳴り響き、日立台の夜にアントラーズレッドの歓喜が爆発した。これでリーグ戦4連勝、勝ち点は33に到達。だが休む間もなく、鹿島の歩みは続く。次戦は3日後、G大阪戦だ。リーグ戦17試合目、折り返しとなる一戦。アウェイ4連戦の第2章も、難敵が相手の90分となる。次なる戦いへの準備は、今この時から始まっている。
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監督コメント
[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
素晴らしいスタジアムの雰囲気の中で、アントラーズサポーターも数多く来ている中で、互いがレベルの高いサッカーができたと思う。先制された後のリアクションについて、選手たちがしっかりと示してくれたし、落ち着いてプレーを進めてくれていたので、自信を持って前後半を戦えたと思う。

Q.チャンスの数は互角か相手の方が多かったと思うが、理想通りの試合展開だったか?
A.いや、理想通りではないですね。先制されたということもあるし、柏が前線から積極的に来ると予想していた中で、選手たちが少し拍子抜けしたかもしれない。前半はうちの良いペースの中で失点してしまったので、修正する必要がある。

Q.金崎選手が久々に先発復帰となったが、評価は?
A.あのような姿がスタジアムの雰囲気を変えたり、チームの勢いを作り出したりするが、それが彼の素晴らしいところだと感じている。スーパーシュートだったのは確かで、あれでチームが勢いに乗ったと思う。

Q.就任後負けなしだが、短期間で何を変えたのか?どのようなマネージメントをしているのか?
A.ベースは変わっていない。選手個々の特長や組み合わせによって起こり得る変化を考えながら選手を選んでいる。ただそれだけではうまくいかないこともある。どの選手にも言っているのは「自信を持ってプレーしなければいけない」ということと「相手との駆け引きに上回らないといけない」ということ。個人的にアドバイスすることもあるし、監督が交代になったという刺激もあるだろうが、グラウンドの中で見せるアグレッシブな姿勢はどの選手についても評価したいと思っている。

Q.両サイドハーフがかなり高い位置を取っていて、4-2-4システムのようだったが?
A.4-2-4でやるつもりはなかったが「相手のビルドアップに対して積極的にプレッシャーをかけていこう」という指示を出していた。そこだけではなく、ボランチの1人が必ずそこへ加わるということも伝えていた。選手個々が反応して、逆サイドにボールがある時のポジショニングや、全体をコンパクトに保つということも臨機応変にやってくれたと思う。


選手コメント
[試合後]
【ペドロ ジュニオール】
首位との対戦で、難しい戦いになることは予想できていたし、実際に厳しい戦いとなった。得点の場面は個人技で、あのゾーンでボールを受けた時のプレーは自分の特長だと思っている。積極性を出せた。ただそれよりも、勝って勝ち点3を取れたことで、アントラーズというチームを評価してもらえると思う。

【永木 亮太】
暑い中、ハードな戦いになることはわかっていた。柏は球際や走力の部分が強いので、そこで負けないようにという話をしていた。みんながその部分でしっかりと頑張れたことが勝ち点3につながったと思う。得点はうまく風に乗って入ってくれた。アントラーズに入ってからリーグ戦では得点がなかったので、ホッとしている。

【三竿 健斗】
源くんとはお互いを見ながらプレーをしていた。今日の反省を生かして、チャレンジしてプレーしていけばどんどん良くなっていくと思う。1対1の対応や駆け引きで勝てるようになりたい。

【昌子 源】
この勝利はかなり大きいと思う。勢いで相手を上回っていたかもしれないし、チーム力を示せたと思う。2点を取って逆転してから追い付かれて、相手が勢いをもって攻めてくる中で個人技で強引に流れを引き寄せることができた。

【山本 脩斗】
首位との対戦で勝つか負けるかは全然違う。次につながる勝利だと思う。サポーターの声はよく聞こえていたし、力になった。

【曽ケ端 準】
自分が入ってからすぐに2点を決めてくれた。その後に追い付かれたけど、落ち着いて試合を進めることができたと思う。GKで交代枠を1つ使うことになってしまったけど、みんなでカバーし合えたと思う。勝ち切れて良かった。

【中村 充孝】
こういう試合で勝てたことは大きい。上位との差を縮めることができた。失点以外のところは、こちらが主導権を握れてプレーできていた。後半はいろいろ形からゴールを決めることができた。打ち合いになったけど、タフな試合に勝てて良かった。
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ハイライト



白熱した首位・柏との激戦。非常にタフでした。
見ている者が引き込まれるような「サッカーの魅力」が凝縮されたような試合だったのではないでしょうか。

柏のテンポの良いパス回し見事でしたね。
サイドとFWに優良な選手を配置し、攻撃こそ最大の防御と言わんばかりのサッカーを展開しようとして様に見えました。
逆に鹿島はサイドMFが守備力に難があるので、
柏の攻撃に耐え、鹿島の攻撃の時間を増やしてくれるのか、レアンドロと中村が攻守のバランスが握れるか、それが鍵だと見ていました。

結果、中村のマークしていた相手から崩され失点を喫します。
あのシーンのちょっと前から私は中村のみを見ていました。

例えば2vs2の状況で、守備陣は2人の間にスルーパスを通されないように横並びにならずにやや縦並びになるのですが、そういった守備時のセオリーがまだ身に付いていないように見えます。
そこは何とか標準レベルまで引き上げてもらいたいです。

FW2人は厳重にマークされ、2列目もなかなかキープできず鹿島の時間は限られていたように思いますが、大岩監督はハーフタイムに叱咤激励と言うよりは自信を取り戻させるような、背中を押すようなコメントを選手たちに投げかけたようですね。

本来持っている能力は非常に高い鹿島の選手。
しかし課題はその能力の引き出し方、好調を維持する術、そういったメンタルな部分が大きいように思います。
その点、大岩監督は元代表選手でもありましたし黄金時代の磐田も、その後の栄光に輝かしい鹿島の時代も知っている経験豊富な選手でしたので、「上手いけど脆い」選手の扱いにも長けているように見えます。

結果、追いつかれるものの【個】の力で勝利をもぎ取ったことは、
今後大きな意味を持つと思います。

嫌なムードを吹き飛ばしたエース金崎の豪快なシュート。
ミスキックとは言え素晴らしい弧を描いた永木のFK。
これぞPJの真骨頂という強引なシュート。
どれも本当に素晴らしかったですね。

反省材料も多々ありますが、細かく書かなくても試合を見ていた人は分かっていると思います。
永木のポジショニング、三竿の経験の浅さ、中村の守備センス、どれも伸び代と言いたいです。

ただここ最近目に付くのが、昌子の余計な切り返しや一つ多いボールタッチですかね。
あれは賢いFWならば狙いますよ。あわよくば足もろごと削りやすい状況を作ってしまっています。

余裕があるのは良い事ですし、ヘディングかと思いきや胸トラップしたりするのは味方へのパス精度が格段に向上するのでナイスプレーだと思いますが、伊東純也に狙われたシーンなど、奪われて失点したら代表の座も危うくなる位の痛手を負います。
そこだけは十二分に気を付けて頂きたい。


あと主審の佐藤隆治はもう救えないレベルだと再認識しました。
西と伊東へのイエローは摩訶不思議。
不用意な笛は多く、試合の流れをだいぶ壊していました。
そのくせ威圧的な態度を取り、ピッチの王様になろうとする。
誰が彼にライセンスを与えたのか、疑問しか浮かびません。
10年くらい海外でサッカーを勉強した方が良いと思います。
日本で見たくありません。


切り替えて、次節は明日7/5、G大阪戦。
中二日でアウェイ&アウェイと苦労させられますね。

だけど次は相性の良い吹田スタジアム。
さらにその次はお得さんのFC東京。

1人2人とうまくターンオーバーをさせながら3連勝と行きましょう。
鹿島ならできます。
期待しています!!



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